台風一過、秋晴れの青空が澄み渡る心地よい季節となりました。
オイリュトミー・ホール「奏身舎」もお陰さまでこの秋に3周年を迎えることになりました。
その記念公演として、宮沢賢治の童話【十力の金剛石】を上演いたします。
童話=メルヘンとは、メール(海)ヒェン(小さなかわいらしいもの)、
即ち「大きな海のひとしずく」という意味があります。
そのように賢治のちいさな童話も、背後に大きく深い宇宙的世界がひろがっています。
無邪気で楽しく面白い、けれどそれだけではなく、
どこか敬虔さ、厳粛さが、賢治の童話には一貫して感じられます。
だからこそ、大人から子どもまで読者の心を打つのでしょう。
童話の最後のクライマックスの場面で、
皆が待ち望んでいた「十力の金剛石」がようやく天から下ります。
「来た来た。ああ、とうとう来た。十力の金剛石がとうとう下った。」
木も草も花も青ぞらも一度に高くうたいます。
「ほろびのほのお湧きいでて
つちとひととを つつめども
こはやすらけきくににして
ひかりのひとらみちみてり
ひかりにみてるあめつちは…………… 。」
「ほろびのほのお」とは、いったい何を指すのでしょうか?
はっきりと賢治自身は語っていません。
しかし、大震災、原発事故という天災、人災を蒙った3.11以降の私たちは、
「ほろびのほのお」とともにあることを突きつけられたような気がします。
「十力の金剛石」は危機の時代を生きる私たちへの、賢治からのメッセージなのかもしれません。
「ひかりにみてるあめつちは・・」
途中で言い終わっている言葉の続きは、何なのでしょうか。
謎めいていますが、ほのかな希望が感じられます。
不思議で豊かな賢治ワールドへ、根源の踊り、かつ未来からの贈り物である
身体芸術‘オイリュトミー’をとおして、少しでも近づくことができますように。
第2部は、ドビュッシーやバッハなどのクラシック音楽でのオイリュトミーと演奏です。
どうぞ皆さま、お誘い合わせの上、お越し下さいませ。心よりお待ち申しております。
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日 程 |
11月4日(日)
開場15:30 開演16:00 |
会 場 |
オイリュトミーホール「那須・奏身舎」 |
前売り |
2,000円、小人(3歳以上小学生まで)1500円
※当日券は500円増 |
奏身舎への
アクセス |
〒329-3121 那須塩原市鹿野崎175-17 tel/fax:0287-63-4039
・東北自動車道 黒磯板室ICより車で5分
・JR那須塩原駅より車で10分。宇都宮共和大看板右折。ガーデンアウトレット歩5分 |
プログラム |
【第一部】30分
宮沢賢治 「十力の金剛石」
フェデリコ・モンポウ「プレリュード」「湖」「遠くの祭り」
〜休憩〜
【第二部】30分
ドビュッシー 「ゆめ」
タルティーニ 「ト短調ソナタ1番」
J・S・バッハ「イエスよ、私はあなたの名を呼ぶ」「G線上のアリア」
エックレス 「ト短調ソナタ1番」
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お申し込み/
お問い合わせ |
tel/fax:0287-63-4039 携帯:080-5695-4577
e-mail:nasu.sousinsya@snow.plala.or.jp
奏身舎代表 渋谷智栄子まで。 |